歴史ぶらり1人旅

歴史好きのかっくんです。歴史スポットを一人気ままに探訪します。

<小田原北条氏の防衛戦(その18)>誰が城主なのか分からないのに凄い城 杉山城(2/2)

こんにちわ、rekikakkunです。

前回の続きで、杉山城をご紹介致します。

 

15.杉山城(国指定史跡、続日本百名城)

 4)杉山城探訪

  前回の投稿時、杉山城を大手口から順に探訪し、

  凄いな~と感動しながらも、パシャパシャと

  普通に撮影していました。

  

  しかし杉山城の魅力をまだ把握できていない

  感じがして、5日後の埼玉探訪最終日に

  再訪しました。

  

  その時、堀底と土塁上を歩いてみることに、

  ふと気が付きました。

  (それが出来るという事に///)

 

  2度目なので最低限の全体像が分かってて、

  心に余裕が出来たからだと思います。

 

  そこで2箇所ほど、堀底と土塁をピックアップ

  して投稿してみます。

  キーワードは3方向。。。😆

 

 ~馬出し郭付近から堀底を歩く~

馬出し郭付近からの堀底歩行ルート
(赤線の方向に歩きます)

 

 下図右下の堀1から、馬出し郭外郭の間の堀底を歩きます。

 

 ただし、ここは地獄の進入路だったのです(@_@;)

馬出し郭付近からの堀番号

堀1 馬出し郭手前から堀底に入る

堀2 (左)馬出し郭ー(右)外郭間正面、
先の道が見えない、
正面と左右の3方向から攻撃されてしまう

堀3 (左)馬出し郭ー(右)外郭間
真っすぐ進むと正面と左右から攻撃されるのが分かります

 

 ここから右に折れて振り返る。

堀4 (右)南三の郭ー(左)外郭間
振り返って戻ろうにも、また正面と左右から攻撃される

 

堀5 (左)南三の郭ー(右と正面)外郭
堀3
を曲がると、また正面から先の道が見えない。
当然、正面と左右の3方向から攻撃されてしまう

堀6 (左)南三の郭ー(正面)南二の郭ー(右)外郭
堀5
を左に曲がると、ちょっとここは崩れてますが、
また正面先の道が見えない

堀7 (左)南二の郭ー(右)外郭
堀6
を右に曲がると、ここも先の道が見えない
正面と左右から攻撃されてしまう

堀8 (左)南二の郭ー(右)帯状土塁
ちょっと堀が浅くなってますが、同じですね~

 杉山城を攻撃するには、通常大手門とその脇の空堀

 からの攻撃侵攻になりそうですが、堀底を進むと

 全ての堀底で、正面と左右の3方向から防衛攻撃

 さらされ、かつ先が見えない構造になっている。

 

 ⇒進むにも、戻るにも地獄が待っている・・・(@_@;)

 

 今度は、守備側の視点で、土塁の上を歩いて戻ってみます。

 (下の写真の土塁の上を、赤矢印に進みます)

土塁の上を番号順に進む

土塁1 (左)帯状土塁ー(右)南二の郭
(先程の堀8を守備側、土塁上から見ています)

土塁2 南三の郭の土塁 正面奥が馬出しの堀

土塁3 南三の郭土塁 (左)外郭ー(右)馬出し郭

土塁4 南三の郭ー馬出し郭

土塁5 (左)南三の郭ー(右)外郭

土塁6 南三の郭ー外郭

土塁7 南三の郭ー馬出し郭間の土橋

 現在も土塁の上を歩いて、堀底を伺うことが出来ますね。

 

 あと馬出郭からも凄い構造が見れました(⌒∇⌒)

馬出郭から堀底を伺う

 

攻撃側と守備側の両方を体感、想像出来ます。😀

 

~本郭ー井戸郭、南二の郭 の空堀を進む~

 今度はもう一つ堀底を廻って見ます。

 下写真の赤線を進みます。 

堀底を進む

 

堀9 堀底に入ったが、正面から先が見えない

堀10 (正面)本郭ー(右)井戸郭
また3方向から攻撃されてしまう

堀11 本郭の南西側の堀(右側が本郭)
左側を見る

堀12 (正面と右)井戸郭ー(左)本郭
右側を進むと、これも3方向で封鎖

 

堀13 (正面と左)本郭ー(右)井戸郭
左に曲がると、これも3方向封鎖

堀14 上の写真を振り返る
振り返っても3方向

堀15 (右)南二の郭ー(左)本郭
後方と左右から攻撃され、先が見えない

堀16 (左)本郭ー(正面)帯郭の一部ー(右)南二の郭
ここも3方向、正面の郭はその為の位置取りになってる

上の写真の正面の帯郭の一部本郭の土塁上から見る

 この堀底も正面と左右の3方向攻撃

 さらられることになりますね~。

 極論すると、戻る方向の正面にも土塁があるので、

 四方八方が正しいのかも(@_@;)

 

 勿論他のお城もそうなるようにしてると思いますが、

 この誰だか分からない杉山城の設計者は、

 全部そうなるように徹底してる所に

 特別感があります。

  

 以上で堀底、土塁の探検を終わります。

 

 ⑬本郭 北虎口から搦め手を進む

  最後に⑫本郭の北側の搦め手を進みます。

  さらっと載せてますが、なかなかの遺構が残ってます。

本郭から北虎口を出る

搦め手を進む1

搦め手を進む2

搦め手を進む3

搦め手を進む4

搦め手を進む5

搦め手を進む6 一般道に出てきました
(降りて右に進むと駐車場です)

搦め手側の入口正面


 いかがだったでしょうか?

 杉山城の魅力を少しでも感じて頂けたら幸いです。

 

 杉山城に行かれましたら、是非とも

 堀底土塁の上を歩いてみて下さい。

(ここまで安全に歩けて、見渡せるお城は

 少ないと思います)

 

 私的に感じたことは、

  ①折れ曲がりまくってる城

   堀、土塁が折れ曲がっていて、攻撃側は

   先が見えず、防御側は横矢を掛け放題。

   屏風折とも言われてるみたいです。

   

  ②大手口横の馬出し郭へ、ほぼ全ての郭から

   援軍が届くように縄張設計されている。

   馬出し郭による防御が、杉山城の大きな

   コンセプトの一つと感じられます。

 

  ③高低差、郭を囲う堀土塁の外側にも、

   堀土塁で2重防御。

 

  ④そしてそれらを存分に感じられる様、

   見易く整備保存がなされていて、

   現地の方々の熱意がとても感じられます。

   (見え過ぎて保存が心配なくらい)

  

 実は2回目の訪問は土曜日の朝で、城巡りが終わって

 大手口へ戻って見ると、地元の保存会の方々が、

 案内所を開設準備していました。 

 伺って見ると、座ってお茶でもどうぞと言ってくれました。

 

 ところが、この日はとても風が強くて、掲示物等が風に

 飛ばされたりしてたので、座るどころでは無くなり、

 一緒に掲示物を支えたり、テーブルを運んだりと、

 少しお手伝いをさせて頂きました。

 

 当番で土日にOPENしてるとの事でしたが、

 地元の方と触れ合えたのは、とても嬉しかったです。😀

案内所1

案内所2
(風が収まり、やっとテーブル上に準備し始めたところ)

 以上で杉山城を終わります。

 

 次回はせっかくなので、杉山城と同じ嵐山町にある

 比企城館跡群の一つで、あの畠山重忠の館だったと

 される菅谷館(すがややかた)等をご紹介致します。

 

 ご高覧ありがとうございました。_(._.)_